【FAQ】 お客様からの質問などを掲載
Q1)繁殖能力がどの程度改善されたのか、どうやって測定しているのでしょうか?
A2)繁殖成績は、授精後21日を過ぎて再び授精に戻ってこない乳牛の割合を測定しており、繁殖計画にもとづき、分娩期がスタートして最初の42日の間に、分娩しそうな牛がどれだけ多くいるかという割合を表しています。(その種雄牛の娘牛がより繁殖能力が高く、初回授精で受胎するかどうか。)分娩の遅い牛は牛群から淘汰され、これを長年くり返してきたために、繁殖能力がNZ牛群で改善され続け、非常に繁殖性の良い遺伝子が作られました。
Q2)初回授精の目標体重と月齢は?
A3)目標体重は300kg以上です。これはおよそ15ヶ月での体重となります。
Q3)分娩後、次の発情はいつ始まりますか?
A3)分娩から最初の発情までの間隔は、品種や年齢、栄養状態のような、様々な要因によって変わります。分娩と最初の発情までの間隔はおよそ35日です。放牧草を食べているNZの乳牛は、TMR(Total Mixed Ration)を餌とする乳牛よりもわずかにサイクルが遅いのではないかと思われるかもしれませんが、一度発情サイクルの始まったNZの乳牛は、繁殖がTMR飼養の牛よりも良いのです。
Q4)毎年季節繁殖を継続するために、牛は分娩後40〜60日以内に受胎しているはずですが、この期間の乳生産について教えてください。ボディコンディションを戻しつつ、ピーク生産時にはっきりとした発情を得られるのは難しいのではないでしょうか?
A4)春の乳生産は1日1頭あたり、22〜24リットル、または1日1頭あたり1.8kgMSです。
Q5) NZ-LICの乳牛は放牧草飼養の条件で改良されていますね。春の牧草は粗タンパクが多く含まれます。エネルギーとタンパク間のエネルギーバランスを考えると、繁殖に問題が起こる場合がありますが、何か解決策はありますか?また、MUN(乳中尿素窒素)の問題もあり、粗タンパク含量が高すぎる牧草を与えると、発情に問題が起こる場合があります。これについて何か研究は行われていますか?
A5)TMRシステムの下で行われた多くの研究では、高MUN値と繁殖能力の低下について関係があるとされています。しかし、高MUN値が卵母細胞や胚の生存に対して直接的な影響があるか、単に栄養バランスの指標に過ぎないかはっきりとはしていません。NZで発表された研究では、NZの牛群は春の牧草に水溶性の粗タンパク質が多く含まれるためにMUNが高くなっていましたが、MUNレベルと繁殖成績との間に何らかの相関関係を見つけることは出来ませんでした。もしMUN値が繁殖成績に対して直接的な影響を与えるならば、これらの結果ではNZの乳牛は高MUNレベルに耐えられるように選抜されており、放牧草による飼養体系において高い繁殖成績を維持できることを示しています。
この研究報告については下記2つの論文をご覧下さい。
・ニュージーランド牛群におけるバルク乳の尿素窒素と繁殖能力との関係(PDF) (原文はこちら)
・“標準の”牛群における乳生産と栄養、繁殖の関係(PDF) (原文はこちら)
※これらの文献は、LICを通してNZSAP(New Zealand Society on Animal Production)より、サージミヤワキに対してウェブサイトでの掲載許可を頂いています。
Q5)日本の牛に何回NZの精液を使えば、完全なNZの牛を生産することができますか?
A5)血統内では、7回NZの遺伝子に授精を行うとほとんど純粋になりますが、最初の掛け合わせが最初の大きな一歩をもたらすでしょう。NZとホルスタイン種の遺伝子との間で初めて掛け合わせた後、両方の有益な形質を維持するためにはバッククロスすることが望ましいかもしれません。他の国での私達の顧客は、最初のクロスでよい改良が得られると気付いています。もしよりNZの遺伝的な形質を望むなら、それに掛け合わせ続けると良いでしょう。
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