Q,なぜSGL精液を使うべきなのでしょうか?
通常の人工授精による繁殖計画では、あなたが必要とする子牛の数だけ更新用の雌牛の数が必要でした。その達成を確実にしたいとき、授精期間から遅れた雌牛にSGLを使って分娩間隔を狭めることができます。これによって搾乳日数を延ばすことができ、(ホルモン剤による)誘導処理を避け、将来の空胎率を下げることができます。
Q. 更新用の家畜としてSGLを使って妊娠させた牛を牛群に留めおくべきでしょうか?
そうすることはお勧めしません。SGL精液は妊娠期間を短くする育種価値でのみ選ばれた種雄牛から採取しています。それらの育種価や生産性以外の形質は、選抜基準に含まれていません。
Q. SGLが証明されているものと、そうでないものとの違いは何でしょう?
証明されたSGL牛は妊娠期間のみで証明されています。SGL証明を取るには1年だけで済みます−私達は翌年子牛が生まれたらすぐに計算します。通常の言葉の意味でいう証明されたものではありません。(例:育種価や生産性以外の形質は、分娩した娘牛が泌乳を開始してから情報を得るには3年かかります。)同様に、SGLが証明されていない種雄牛は、まだ娘牛が誕生していないので、SGLの育種価値は純粋に系統の情報に基づいています。これら未証明の種雄牛は、翌年SGLが証明された牛となります。
Q. SGLの育種価値をどのように考えればよいでしょう?
SGLの育種価値は日数で表されます。日数がマイナスの場合は平均よりも妊娠期間が短いという意味です。すべての育種価値と同様に、平均に対して種雄牛の育種価値の半分の数値が子孫へ受け継がれます。もし乳用牛の妊娠期間の育種価がマイナス10であれば、その娘牛は平均して、育種価値がゼロの牛の娘牛よりも5日早く分娩することになるでしょう。種雄牛の精液が授精された雌牛の育種価値によって、5日より早まることもあります。
Q. 肉用牛の種雄牛ではSGLはどのように作用しますか?
肉用牛では少し異なります。ヘレフォードの種雄牛の子供の妊娠期間は長くなります。(平均すると乳用牛の種雄牛よりも4日長い)つまり、ヘレフォードの種雄牛の子供のSGL育種価値がマイナス8日であれば(肉用牛間の繁殖の場合)、平均的な乳用雄牛の子供(どちらも平均的な雌に授精したと仮定)の妊娠期間よりも後に生まれるという意味です。ヘレフォードの利点は顔が白くなるということで、これは間違えて更新用家畜としてキープしてしまうことを防ぎます。アンガスは角がないので、これもまた間違えてしまうことはありません。(アンガスの妊娠期間はほぼ乳用種と同じです)
Q. SGLの種雄牛はどのように選ばれますか?
もっとも妊娠期間が短い雄牛が選ばれます:系統の情報(未証明)やアルファブランドで販売された牛、または精液の利用によってSGLが証明された牛のどちらかです。SGLは遺伝性の高い形質で、それは生産に関する形質よりも早く測定できます。
妊娠期間の短縮は、分娩の集中化、雌牛の回復期間を長く取って発情を再来させる、もちろん泌乳期間を長くするのにもとても役立ちます。けれど覚えておく必要があるのは、“証明済み”というここでの意味は、妊娠期間の長さに対して証明されたものであって、生産性や生産性以外の形質について証明されたのではないということです。そのため、これらの子牛を更新用の家畜としてキープしておくべきではありません。
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