穀物などを使った高投入型の飼養管理に対して、どの牛がもっとも適しているのでしょうか?
濃厚飼料などを使った飼養管理に対しては、より大きなホルスタイン牛のような牛を飼わなくてはいけないという誤解がよくありますが、事実に全く反しています。「the PREMIER SIRES Bulletin and the Your Choice」という雑誌ではよく、NZ系統の種雄牛を使用しながら酪農を行う農業者がしばしば取り上げられています。ホルスタインフリージアン種の系統試験で、育種価の高いNZ系統の種雄牛は、NZでよく見られる放牧地主体の飼養管理では育種価の高い海外の種雄牛よりも収益性が高いことが見出されています。
育種価は収益性を示す数値で、それには餌のコストも考慮されます。したがって、農業者にとって必要なことは、高い育種価です。育種価にもとづいて種雄牛のランク付けをするRASリストは、LICの種雄牛によって占められています。そしてプレミア・サイア(PREMIER SIRES)やアルファノミネート(Alpha Nominated)に掲載されている種雄牛を使えば高栄養投入型の飼養管理に適した家畜を手に入れることができます。
しかし、高投入型の酪農家たちへ、よりシステムに適した家畜を繁殖させる手助けとなるように、LICは高投入システムのインデックスを開発しました。
高投入システムの農業者達は育種価だけに興味を持っているのではありません。彼らは乳固形分が高く、より多く乳量を生産するために体型(特に乳房の懸垂)のよい牛を求めています。
高投入システムのインデックスは、次の3点において育種価と異なっています:
1、育種価はすべて放牧草で飼養するシステムの平均的な牧場に適する情報や経済的なウェイトを使用しますが、高投入システムのインデックスは、平均的な高投入システムに適する情報や経済的なウェイトを使用します。
2、育種価は7つの形質(乳脂肪、乳タンパク、乳量、体重、繁殖力、体細胞数、生産寿命)の経済価値を考慮し、高投入インデックスはこれらの形質に加え、乳器全体(乳房懸垂に大きく関係する)を考慮しています。
3、インデックス中のそれぞれの形質の重み付けが異なります。一般的に高投入インデックスは体細胞数を若干重要視しており、乳房へもインデックスの1/10のウェイトが置かれています。
育種価は繁殖用の家畜の選択にいろいろと使える最も優れたツールです。そのほかのインデックスは、私達がいつもお知らせしているように、それに代えるのではなく、育種価と併せて使ってください。
高投入インデックスを使えば、繁殖計画を調整して、高投入型の飼養管理を行う農業者に必要な家畜をつくることができます。
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